スーパーの刺身はなぜ生臭いものがあるのか?

今回は生臭い刺身を出すスーパーの謎についてです。
横浜に住んでおり、地域に5店舗以上スーパーがあり、また、商業施設に出かけるたびに色々なスーパーで刺身を購入している僕だからこそ、書ける内容かなと自負しています。
生臭い刺身を出すスーパーは別の魚もほぼ生臭いという実体験
いつも髪を切ってもらう理髪店があり、女性の担当者さんに切ってもらっているのですが、その方からこんな話を聞きました。
「目の前にあるスーパーの魚は生臭くて基本的に食べないんです」
「やっぱり魚は生臭くてあまり好きではないですね」
とそんな話をしていました。
その時に僕が思ったのは、「そこのスーパーの刺身は生臭いのか」という単純な疑問でした。
その後、確かめるようにそのスーパーで数回に分けて刺身を購入してみました。
はじめて購入したアジは確かに生臭い、刺身を食べていると魚の臭みが刺身の周りにまとわりついている状態です。
とてもじゃないですが、お客様にお出しできるレベルではないという印象でした。
さすがに、次はマグロの赤身の刺身を購入してみました。
アジなら鮮度などの問題で生臭いことがあっても、冷凍して移動しているマグロが生臭いケースは極端に少ないからです。
ところが、もう食べたくないと思えるほど、マグロの赤身が生臭く、魚の粘液由来の臭みが残っていました。
ここで日々魚を捌いてきた僕が感じたことは「三枚おろしをしたまな板でそのまま魚をおろしているな」ということでした。
どういうことかと言えば、魚は死んだ後でも粘液を出し続けます。
いわゆる、魚の表面にはぬるぬるとした粘液が必ず付いています。
この粘液は放っておくとすごい生臭さを放つんです。
周囲にいる雑菌が魚の表面で増えてしまうのです。
その結果、三枚おろしをする前にしっかり洗わないとまな板に臭いがつきます。
挙げ句の果てに定着してしまうのです。
そのため、粘液がついている状態で魚を捌いた後は、しっかりまな板を洗うなり、まな板を替え、雑菌などの魚臭やあの生臭さを取り除く必要があります。
しかし、スーパーの鮮魚コーナーで捌いている人は水を出しっぱなしにしているから大丈夫だと思い、まな板を替えずに三枚おろしと刺身盛り付けの作業を一緒にやってしまった結果、刺身に雑菌がつき、生臭さを発生させてしまっているのではないかと感じました。
(もちろん使用していない間、ビニールシートをまな板に被せている、アルコール除菌しているなどの最低限の食品衛生管理はできていると思いますが、それだけでは不十分なのです。)
なんで、そんなことが言えるのかと言えば、僕自身結構家族のためにスーパーで魚を買ってくることが多く、生臭い刺身を出すスーパーは他の魚も全て生臭いからです。
マグロもイカもサーモンもです。
僕も魚釣りをして魚を臭くしてきた失敗経験があるので、すぐ理由がわかりました。
刺身からその臭いがしました・・・
でも、生臭さがないスーパーも存在しています。
どのスーパーも僕が食べ比べた経験から、魚自体の鮮度や産地などに大きな差がないと感じています。
本当に良い魚はスーパーではなく、それぞれの専属を持っている魚屋さんが買っていくからです。
大きな差がない魚を同じように捌いて刺身にするわけですから、やはり調理過程に問題があると感じざるを得ません。
以前、透明なガラス越しに捌いている人が見えるスーパーでみたことがありますが、大体の鮮魚コーナーはまな板が数枚並んでおり、水を出しっぱなしにして、長い包丁で作業されていることが多いです。
毎日、大きなまな板を都度洗うのはスーパーの作業スペース上、または業務時間の都合上、止むを得ないことなのかもしれないと感じました。
今は「津本式の究極の血抜き」を覚えてから、自分で釣った魚や魚屋さんで丸で買ってきた(内臓を出したりなど、何も手を加えていない状態の魚)魚で究極の血抜きを色々して、魚の生臭さがない刺身を食べ続けてきたからこそ、スーパーのちょっとした生臭さも感じるようになってしまったのです。
自宅で出来る魚を美味しく食べるコツ
スーパーの刺身がなぜ生臭いのか説明をしました。
スーパー全部が、という話ではなく、生臭い刺身を売るスーパーがあるという話です。
こうしたスーパーがあると、一般消費者の中では魚=生臭い食べ物という認識ができてしまい、魚離れが進んでしまう可能性があると懸念しています。
そこが残念でなりません。
釣人が釣ってきた魚や魚屋さんで購入した魚を美味しく食べるコツは、何を隠そう、「魚の臭みを取り除くこと」です。
具体的に最低限、何をすれば良いかと言えば、三枚おろしまでを行ったら、一度まな板を綺麗に洗剤をつけて洗うことです。
そして、僕は必ずやるのですが、捌く前に鱗付きの魚の表面のヌメリを洗うことです。
専用の器具もありますが、魚屋さんでないのでそこまでやる必要はないと思います。
シンプルに包丁の刃先を撫でるようにして魚に当てていき、ヌメリを落としていくことです。
魚の種類によっては亀の子タワシで一気に擦り落としてしまいます。
魚の表面のヌメリを落とす作業とまな板をしっかり洗って刺身を切るということをしっかり行えば、生臭さは相当軽減できます。
本当は、血抜きや魚のお腹の中をちっきり洗いこむなど、やることはあるのですが、大事なのは上記2つです。
鱗付きの表面のヌメリを落とすこととまな板をしっかり洗うことです。
最後に、ペーパーなどで水分をしっかり拭き取ってから刺身を切れば、そうそう生臭い魚に仕立てることの方が難しいはずです。
魚が生臭くて困っている方は、ぜひ、ヌメリ落としとまな板洗いを試してみてください。
まな板はしっかり洗いましょう。
また、三枚おろしにしてからは魚の種類やコンディションにより使い分けをしますが、さらに臭みを取り除く方法はいくつかあります。
「塩を当てて、少し時間を置いて出てきたドリップを拭き取る」
「塩水を作って、塩水の中で洗ってしまう」
「湯引きしてしまい、表面の臭みを落としてしまう」
などなど、色々な方法があります。
これらはまた別の記事でご紹介していきたいと思います。
最後までご覧いただきありがとうございます。


